JCUも所属する 客室乗務員連絡会(客乗連)は、10月27日、FRMの基準づくりについて、航空局に対し以下の要請を行いました。
- 編集部
- 10月31日
- 読了時間: 4分
客室乗務員の疲労リスクを考慮した乗務基準づくりに関して
客室乗務員の疲労リスクを考慮した乗務基準づくりについて、客室乗務員連絡会(以下、客乗連)は、乗務基準として考慮が必要であると考える客乗連主張について、資料として提出いたします。
今後の基準づくりに反映していただけますよう、ご検討をお願いいたします。
1. 客室乗務員の睡眠を考える際の重点ポイントとして
(1) 乗務前の十分な睡眠の必要性
① 休日後のフライトについて
休日前の勤務の疲労が十分に解消されるように確保する
フライト準備のための休日労働が発生することのないように改善する等
育児介護などを抱える乗務員の負荷を軽減する制度や保障の必要性
② 一つの乗務パターンと別の乗務パターンが休日を挟まず連続する場合
国際線の長大路線前日の国内線のフライトまたは国際線日帰りのアサインを行わない
負荷が高く、長大路線の疲労を増長するとの現場の声
国内線4Legパターン等、負荷の高い乗務の連続アサイン
当日の疲労が解消されないまま翌日のフライトとなるため疲労度が高いとの現場の声
③ ステイ先
睡眠が確保されるホテルの環境(騒音、衛生面、治安等)
ホテルで過ごす時間の確保
④ 睡眠の支障となる心理的な要因
評価賃金制度が導入されている会社の乗務員における、評価に対する心理的な恐怖心
⇒失敗はできないとの恐怖心から常に緊張をしている
⇒休日労働となっているフライトの事前準備が評価対象となっている実態
「始発の公共交通機関を逃すと遅刻となるため心配で十分に睡眠できない」等、通勤制度を充実させることの重要性
乗務するフライトの特性との関連。緊張度が高く睡眠不足となりがち。機内業務のシンプル化の重要性。
(2) 乗務中の休養(REST)の質と量について
① 休養(REST)の重要性
時間の確保
環境の整備
施設面(レストファシリティ)の必要性(横臥可能、光・音の遮断、他者の目の遮断等)
仕事がRESTタイムに食い込まないような工夫
大手2社の国際線のAny Time You Wishサービスの実態の改善
⇒準備に手間がかかるため、GLY DUTYが準備に時間を要する場合がある
⇒オーダーが立て込み、なかなかRESTに入れない
(3) 乗務後、乗務の疲労を解消する睡眠
① 休日の確保の必要性
仕事と休日を切り離し、十分な休息・休養ができる状態を保つ
次のフライト準備は労働時間。休日労働をなくす
通勤制度の不足から公共交通機関で帰宅できない場合、ホテルに宿泊させて休日に自宅に移動させている実態
2. 疲労レポートの継続的な把握、および今後の必要な改善のために : 仕組みとして構築する必要性
(1) 疲労レポートを取り入れ実態改善が可能となる仕組みの構築
① 各社で実施できる細やかな対応(改善)を仕組みとして構築する
各社で積極的に疲労レポートを集める=職場に提出を促す(FRMの基本を徹底する)
(2) 現時点における疲労レポートの把握不足を補う必要性
① 現場から出された疲労レポートの取り扱いについて
疲労レポートは、疲労リスク管理の根幹となるデータであることを使用者にも徹底する
⇒現場からのレポート提出を妨げない
疲労レポートを元にした各社での具体的な改善が活発に実施される仕組みの構築を航空局として関与し徹底する
各社の分析結果を集計し、国として取り入れる必要があるポイントを反映できるような仕組みの構築が必要
② 航空局が主体となった設問の作成の必要性
統一した設問を行うことで共通した課題の抽出が可能となる
航空局が関与することで各社のバラつきをなくすことが可能となる
3. 客乗連として考える早急に改善すべき勤務パターン等について (負荷の高い乗務の改善)
着陸回数に応じた乗務時間および勤務時間の制限を設けるまたは見直す等の改善
5Legパターンの廃止、4Legパターンの改善
スプリット勤務の廃止
米国西海岸は2泊以上を基本とする
乗務パターンの組み合わせの配慮 負荷が高くなる以下の組み合わせを解消する等
超早朝の連続アサイン
4レグ日帰りの連続アサイン
国内線日帰りの翌日からの長大路線の連続アサイン
REST(休養)が確保できる働き方とする
月間乗務時間制限の強化 上限を85時間までとする
⇒過去、STAY先で倒れたCAが労災認定された時の判決を参考とする
以上





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