~ 客乗連だより ~
- 編集部
- 2022年11月28日
- 読了時間: 3分
更新日:2022年11月29日
客室乗務員連絡会(客乗連)は、日本の客室乗務員が健康で楽しく、定年まで働きつづけられる欧米並みの職場をめざし、企業のワクを超えて連携する組織です。
客乗連では9月15~16日に合宿を行い、日本の客室乗務員が抱える問題を出し合い、根拠や今後の方向性について話し合いました。現在、以下の問題の改善が求められている状況です。
1、 国内線と近距離国際線にもレストが必要です。
* 労働基準法34条は、「6時間こえて働いたら45分、8時間こえたら1時間の休憩が必要」とされています。客室乗務員の場合は、飛行機を離れられる休憩がとれない場合、上空や便間インターバルで「休憩に相当する時間」が必要とされています。(施行規則32条2項)
* 長距離国際線の場合、レストはありますが、よりきちんと取れるようにする必要があります。労働基準法は昭和22年のプロペラ機時代につくられたため現状に合わなくなっている面もあり、法改訂を含めた取り組みが求められています。
2、 国際線ロング後、休日が2日間では疲労は取れません。
* ルフトハンザやKLMオランダ航空、(旧)アリタリア航空では主基地帰着後、4~6日間の休日になっています。一方、ANA、JALの休日は2日間のみです。疲労リスク管理の観点からも問題ではないでしょうか。
3、 「勤務の交換制度」や「病気有給休暇」が日本でも必要です。
* 欧米では、客室乗務員どうしが合意したら勤務パターンを「交換」できます。また、体調の悪い時は堂々と休める「病気有給休暇」があります。
これらはFRMの観点からも必要な制度です。
4、 基本給の職種間格差をなくすこと。また、乗務手当保障制度を復活させること。
* ANA、JALの客室乗務員の初任給は総合職と比べて3~4万円の格差があります。
* パイロットには現在、フライトがゼロでも生活給として乗務手当保障があります。客室乗務員も以前は65時間乗務手当保障制度がありました。この制度の復活が求められています。
5、 評価制度をなくし、勤続年数に応じた賃金体系にすべきです。
* 欧米にはANAやJALのように、管理職による主観的評価で賃金や昇格が決まるような評価制度はありません。日本の評価制度は人権侵害と言われますが、ものが言えない職場環境になり、チームワークも阻害されるため、安全問題でもあると言えます。
* 欧米の賃金体系は、勤続年数に応じて決められています。日本でも経験が重視された、公正な賃金体系にあらためる必要があります。
6、すべてのドアに客室乗務員を配置すること。
* B787は通路が2本ある広胴型機でドアが8か所あるにもかかわらず、客室乗務員が6名~7名しか配置されていません。緊急時に備え、すべてのドアに客室乗務員を配置すべきです。
6、 希望により65歳まで乗務できるようにすること。
* ANAでは会社が決める資格により、乗務できる人とできない人(地上関連会社への出向)に分けられます。こうした差別的扱いはやめ、すべての客室乗務員がフライトできるよう、制度の見直しが必要です。
* 米国と英国の客室乗務員には定年がなく、定期訓練をクリアすれば何歳でも乗務できます。
7、 採用における男女比を欧米並みに3~4割とすることを求めます。
* ANA、JALの客室乗務員は、ほとんどが女性です。この為、仕事量に見合わない低賃金、使い捨ての勤務実態になっており、欧米並みの男女比率にすることが求められています。
* テロやハイジャックから乗客を守ることも客室乗務員の任務であり、9.11の教訓からも男性の客室乗務員は必要と考えます。

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