会社は「休息が必要」と言うけれど・・・
- 編集部
- 7月31日
- 読了時間: 2分
【ANAが出したインフォメーションの内容は?】
ANAは2025年6月、以下のFRM(注1)インフォメーションを客室乗務員に向けて通知ました。
客室乗務員は、乗務・勤務中も適宜身体を休める・リラックスするなど工夫して疲労軽減策をとることで、自身の疲労状態を適切に管理する必要があります。 そのため、路線に関わらず、休息や食事の機会を十分に確保することはとても重要です。 CP(注2)は、フライトを通して、クルーの健康および疲労状態に配慮し、業務にメリハリをつけるマネジメントを行いましょう。 例えば 「便間でのプリワークは最小限にとどめる」 「休息できる時には休息をとらせる」 「上空で機内監視を行いながら、順番に食事をとる時間を設ける」 などです。 これらの工夫により、休息時間をできるだけ長く確保し、Fit for Duty に向けたマネジメントを行いましょう。 |
(注1) FRM=疲労リスク管理
(注2) CP=チーフパーサー(客室責任者)
【なぜこの通知が出されたの?】
ANAがこの通知文書を出したのは、中央労働委員会(中労委)と、ジャパンキャビンクルーユニオン(JCU)に対し、以下を約束していたためです。
▶ 路線を問わず、休息および食事の機会を十分に確保することの重要性について、会社は客室乗務員に文書で周知する。 ▶ FRM教育及びチーフパーサー教育の中でも文書で明示する。 ▶ チーフパーサーによる適切なマネジメントを通じ、食事を含めた休息の時間をできるだけ長く確保できるよう努力する。 ▶ 今後も、客室乗務員の声を聴きながら、負荷が大きいとの声があがっている勤務パターンについて、改善に向けて努力する。 |
【これに対して、職場の声は?】
しかし、ANAの職場からは以下の声が出されています。
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・「地上や上空で休息をとりたくても、国内線では時間がなく、なかなか取れない」
・「会社は休息の必要性を言っているが、チーフパーサー任せになっている」
・「現場に丸投げするのではなく、会社の責任できちんと休息をとれるようにしてほしい。それには、サービスの軽減化や編成数の見直しが必要ではないでしょうか」
・「きつい勤務パターンの改善に努力、となっていることは嬉しいですが、まだ6日連続勤務や国内線の1日4便の乗務、小型機での1日5便乗務、連続9時間をこえる勤務、1日のみの休日・・など、改善してほしい勤務パターンは多いです」
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休憩問題は、健康にかかわるだけでなく、安全にもかかわる大事な問題です。
これからもきちんと休息がとれるよう、皆で声を上げていく必要があります。
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