8月29日、KLM裁判の山場とも言える証人尋問第1回目。多くの原告が集まり、仲間の証言を見守っていた。
その30~40代の女性たちの後ろ姿を見ながら、あらためて契約制という使い捨て雇用の理不尽さを実感した。
彼女たちは日本-アムステルダム路線で、正社員であるオランダ人クルーと同様、保安とサービス業務を担ってきた。
2018年7月以降、次々と雇止めされるまでは・・。
1995年~JALやANAは客室乗務員の採用を契約制に切り替えた。
その後、再び正社員採用に戻るまで約20年が経過したが、未だに日本の客室乗務員のほとんどが女性である。
男性が3~4割を占める欧米と比べて異常な状況と言える。
もし1980年代までのJALのように男性客室乗務員が多く、正社員採用のままであったら、KLMは日本人クルーを30年近くも契約制採用のままにしていただろうか。
日本のいびつな採用のあり方が外国航空会社の日本人クルーの採用にも影響を与えていたのではないだろうか。
この日、証人に立った2名の原告は、尋問の最後に次のように訴えた。
「会社の信頼に応えたいと、いつも120%の力を出し切ってフライトしてきました。空に戻りたい一心でこれまで裁判を続けてきました」
「KLMは世界で最も古い航空会社で、多くの人に愛されてきました。私たち日本人クルーも、誇りをもって安心、安全、信頼の為に他のクルーと助け合ってフライトしてきました」
一日も早くKLMオランダ航空に戻りたい・・切々と訴えた彼女たちの思いが裁判官に届くよう、これからも支援の輪を広げていきたい。
2022年8月30日
向日葵

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