ANAへの要求の根拠は? (続編)
前回に続き、JCUがANAに提出した要求と根拠をお知らせします。
【要求3】60歳以降の働き方について、高年齢者雇用安定法の趣旨に則り、希望する者は全員65歳まで乗務可能な制度とすること。
〈 現状と要求根拠は?〉
ANAでは会社の判断で各人に付けた資格等によって、60歳以降もフライトできる人と、地上職で働く人とに分けられている状況です。フライトできる人は1年契約を65歳まで更新できる道がありますが、フライトできない人は労使協定によって、65歳未満で雇用を打ち切られます。
厚生労働省のHPには、「高年齢者雇用安定法は、(中略)働く意欲がある誰もが年齢にかかわりなくその能力を十分に発揮できるよう、高年齢者が活躍できる環境整備を図る法律です」とあり、ANAの制度はこの趣旨から外れるものと言わざるを得ません。
パイロットは希望者は全員パイロット職を続けられます。また、JALの客室乗務員も希望者は全員、フライトを続けられる制度になっています。
会社の決めた資格によって60歳以降、経験のない地上職で働くしかない、しかも65歳未満で辞めざるを得ない、こうした時代遅れの制度は即刻、あらためるべきではないでしょうか。
【要求4】資格があるにもかかわらずチーフパーサー(客室責任者)業務を長年アサインしないなど、職場における差別や人権侵害を一掃し、一人ひとりが明るく働きやすい職場、企業風土を確立すること。
〈 現状と要求根拠は?〉
ANAでは現在、CP(チーフパーサー)資格がありながら何十年もCP業務をつけない、サービス調整役やアナウンスもさせない等、特定の人へのパワハラ(人権侵害)が行われている実態があります。
また、最近のマスコミ記事でSNSに関連した事例(密室での取り調べ等)も告発されています。
ANAでは「社会への責任ガイドライン」の中で『人権の尊重』を明記しています。大企業の社会的責任を果たし、こうしたパワハラ(人権侵害)を一掃する責任がANAに問われています。
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6月29日(火)にJCUとANAとの2回目の団体交渉が開催されました。詳細は追って報告します。
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