ANAに出した要求の根拠は?

JCUは5月24日にANAと団体交渉を行い、4月15日に出した要求について趣旨説明を行いました。それぞれの要求趣旨をご紹介します。


【要求1】 国内線、及び近距離国際線における休憩のない実態を是正し、労基法34条施行規則32条2項を遵守すること。


〈現状と要求根拠は?〉

現在、ANAでは国内線と近距離国際線では長時間勤務でも休憩時間の設定がなく、実態でもほとんど取れていません。食事も、便と便の間や上空で5~10分で急いで済ませるような状況です。


では、法律はどのようになっているのでしょうか。


客室乗務員の休憩については労基法34条施行規則32条に規定されています。


この1項には、「長距離にわたり継続して乗務するものについては、休憩時間を与えないことができる」とされています。ここで言う「休憩時間」とは、飛行機から離れて完全に自由になれる時間を言います。

また、「長距離」の基準は6時間とされています。つまり、6時間以上継続するフライトでは(完全に自由になれる)休憩時間は与えないことができるという事です。ただ、実際にはレスト(みなし休憩)があり、これは企業の「安全配慮義務」の観点からも必要なものです。


では、それ以外の国内線や近距離国際線はどうでしょうか。

1項以外、つまり国内線と近距離国際線で勤務時間が6時間と8時間を超える場合、それぞれ「45分」、「1時間」の休憩時間、またはレストをとらせる必要があるとされています。


2014年にJAL客室乗務員の有志が労基署に行き、「労基法違反の是正」を申告しました。この結果、JALに調査が入り会社も労基法違反を認め、アジア路線でのミールチョイス(食事の2拓)を単一にしたりグァム線の編成数を増やすなど改善し、レストが取れるようになりました。国内線でも、それまで1日のフライト回数制限が4レグまでだったのが、1日3レグまでになり改善されました。



【要求2】 パスポート更新に関する精算等を定めている規程を見直し、運航乗務員と同様の取り扱いとすること。


〈現状と要求根拠は?〉

現在、ANAではパスポートの更新費用は「自費負担」、又は「退職時に残りの年数分を会社に返金することに同意すれば、会社が更新費用を負担する」とされています。


しかし、ANAのパイロットは、更新費用はもちろん会社負担で、退職時にパスポートの残りの年数分を会社に返金するという規定もありません。社内で同じ乗務員でありながら扱いが違うのはおかしいですし、そもそも業務で必要なものを、退職時に返金すると同意した人にしか会社が更新費用を支払わないというのもおかしな話ではないでしょうか。ちなみにJALの客室乗務員にはこのような規定はなく、更新費用は会社が負担するとなっています。




要求3と4については次ページで紹介します。

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